◇あらすじ◇

「福留町」

願いを叶える桜の木で有名なこの町。

近頃、ある噂話が蔓延っていた。

「深夜、黒い影のようなものが町中を徘徊している」

「黒い影を見た人は不幸になる」

そんな中、建設現場での転落事故が多発したり、鋭い切り口で胴体を真っ二つにされた死体が発見されたり、同日に複数名が神隠しにあったりと、不気味な事件が頻発する。

それは噂話に出てくる"黒い影"と関係があるのではと、一部の若者の間では更なる噂になり、都市伝説となっていた。

この町の高校に通う「神代 幸」「青山 鏡月」「灯馬 朱里」の三人は学園祭に向けて準備をしていた。

遅くなった帰り道。日の落ちた公園で、下校中の彼女たちを襲ったのは……。

◇あらすじ◇

この学園には、

全校生徒が知っているであろう１つの噂がある。

願いを叶える樹。

そう呼ばれる大樹は、学園全体を見守るように、敷地内の目立つところにそびえ立っている。

学園よりも歴史のあるそれは、春になると満開の桜を咲かせ、新入生を歓迎する。

この樹には、不思議な力が宿っているのだそうだ。

木枯らし吹き荒れる冬空のもと、この樹の前で叶えたい願いを唱えると、その願いは満開の桜が舞い散る春頃に成就する。

そんな伝説めいた噂が全校生徒に知れ渡っている。

――願いを叶える樹か。

それは、どんな願いでも叶えられるのだろうか。

医者、スポーツ選手、俳優。

お金持ちって願いもありか？

これと言って将来の夢はない。

何を願えばいいのか迷いどころだ。

将来の夢や目的が欲しいと願うのはどうだろう。

それじゃ意味がないか。

入学してもう一年が経つ。

今年の冬には、叶えたい夢は見つかるだろうか。

◇あらすじ◇

大陸『ベイルム』

いつの時代からか、この大陸では『黒い霧』と呼ばれる人体に有害な黒色の霧が発生し始めた。

黒い霧は魔物を活性化させ、人の身体に『有害』な影響を及ぼし、霧の中で死んだ者は、理性のない獣のように襲い掛かってくる。

霧は大陸を徐々に『蝕み』、人々の生活が失われることは時間の問題だった。

原因を突き止めて、『抗い』生き続けるか…

霧の浸食を『受け入れ』、緩やかに死を待つか…

これは漆黒に染まる大陸で暮らす、生者の物語。